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2016.05.27 Friday | -
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アラカキヒロコ or hiroko arakaki or 新垣裕子(ミュージシャン)のブログ
--------------------------------------------------------------------------------------------- 現在 http://hirokoa.tumblr.com/ のほうがメインで稼働中です。 --------------------------------------------------------------------------------------------- 8/7、声の出ない仙台公演:夕涼みコンサート/新星堂インストア(長文)
8/7午前7時、エアコンを切ったサウナのような部屋でマスクをしたまま目を覚ます。 「あー」酷い声だった。高い漢方薬はあまり効かなかったようだ。 新宿の救急案内に紹介してもらった医院に電話をかけたけれど、 「専門じゃないので喉の腫れを見て風邪薬出すぐらいしかできませんよ?」 それでは今私がしてることと変わんない、と思いお礼を言って一旦電話を切った。 大きい病院にも救急がある。女子医大とかに行こう。支度をして、 前日のレコ発でつけた古川さんの手作りピアスをもう一回つけて、鍵盤を担いで家を出た。 大きな鍵盤が目を引いたらしく、道端で見知らぬ中年女性に話しかけられる。 鍵盤に興味があるらしく、その方は並歩して話を続けてきた。 なんとなく、あと5分くらいいいかと思い本屋の前で立ち止まって聞く(暑かったけど)。 三田佳子さんのシャンソンを聴きに行ったらピアニストの演奏に感銘を受けたこと、 前の席には小泉元首相が座っていたこと、などなど。 「あなたもねえ、今に素晴らしいピアニストになるわ、美人さんだし。」 (わたしの顔は半分以上マスクで隠れているのだが…)折角なので、訊いてみた。 「いや…実は歌うたいでもあるんですけど…、声を壊しまして。この辺にお住まいですか?」 「ええ、この辺です。」 「この辺で救急やってるいい病院ありませんか?女子医大に行こうと思ったんですが…。」 「女子医大に行くなら国際医療研究センターが新しくできたから、そこの方がいいわよ。 いい耳鼻科の先生がおられてね、あ、でも今日はお休みだと思いますけれど。」 お礼を言って、タクシーで国際医療研究センターへ。やはり専門医はいない。 声は嗄れてるけど喉はあまり腫れていないし、平熱。 若い女医さんと、先輩らしき男性医師が2人がかりで丁寧に診てくれたのだが、 時間のある時にちゃんとした耳鼻科に行くことを勧められ、トランサミンだけ処方される。 タクシーで東京駅へ。 ![]() スタッフと落ち合い10:56の新幹線(たぶんはやて)にギリギリ乗車。 エスタックとトランサミンは併用可能か医者の友人に電話。OKらしい。 新幹線の中で目を瞑る。 仙台駅に降り立った。 3月に見た映像の痛々しい駅がすっかりキレイになっているのを実際に見ると嬉しかった。 街は七夕まつり一色。ほっとした。賑わっている。 きっと大変だったろう、でも少しずつ復興している。 吹き流しがいっぱいで、ああ、仙台に来たんだと実感する。 ![]() ![]() ![]() ![]() スタミナつけるぞ、と言われ昼食はスタッフと天下一品へ。スリム天一を食べる。 食べなかったゆで卵を持って帰ろうとして天一のおばちゃんに静止される(笑) 毅然と「お客様、ナマモノのお持ち帰りはダメです」。 ホテルにチェックイン。25分だけホテルの部屋でベッドに横になる。 声は出さない方がいい。でも声を出してみないと何が歌えるのかわからない。 どうすることもできず、静かに目を瞑る。 そうこうしているうちに時間が来て、タクシーで勾当台公園へ。 この日出演したのは、28回目のMJQ WEDDING PRESENTS Date fm 夕涼みコンサート、 サークルKサンクスLOCOステージ。 今年の夕涼みコンサートのキャッチコピーは「Let's go TOHOKU」。 被災地へ、東北のみんなへ元気を。どうしよう。今の私に何が出来るというのだろうか。 無い時間でぼんやり考える。 キーを低くして、森山良子さんの『さとうきび畑』を歌うことにした。 この曲もまた、傷ついた人が歩くための力になってきた曲だと思うから。 夏だ。 1. さとうきび畑 2. monad 3. 17269 4. Allegro (Act2) 昨日はレコ発だった、バンドメンバーがいた。 会場も、お客さんも、ホームと言っていい。でもここは仙台、勾当台公園。 野外の道を行き交う無数の人の心を掴むには、私の声はあまりに弱過ぎた。 昨日と同じだ。声は裏返るし、高音は無音の息になってしまう。 公開処刑さながらのステージになってしまった。 ![]() きっと、多くのミュージシャンが、日本人が、多分世界中の人が思っているのと同様、 今回の大地震と今も終わらない災害については私もいろいろ思うところがある。 沖縄とはもちろん違うのだが、私はどこかで連想してしまう、ということもあり、、 (それについては次の記事に書こうと思います) 5/19のいしばしさちこ・よしむらひらく・絶景との福島CLUB#9でのライブの後、 彼らにくっついてそのまま仙台に行きたかった、でも仕事の都合がつかず断念した。 本当はもっと早く来たかった、来て何が出来るって、歌うことしかできないけれど、 それで、いったいどれだけの人の心に何かを与えられるかわからないけれど、 せめて『夜の唄』を歌いたかった。 でも『夜の唄』はこの声ではもう歌としての体を成さず、無理だった。 何しにきたんだ、私は。それでも、できるだけのことを、想いを、置いて帰りたい。 少しだけ立ち止まって聴いていく人、曲の途中で立ち上がって行ってしまう人。 余りに悲惨な声で歌っているのでなんだろうと立ち止まった人もいるかもしれない。 それでも、最前列に座って、「がんばれー」と手を振ってくれる人もいた。 どっちが励まされているのだかわからない。 「励ますつもりが励まされてしまいました。」 帰省中でお祭りに来ていた、壊れかけのテープレコーダーズyusaさんが声を掛けてくれた。 実はまだちゃんと観たことないのだけど東京で会いそうな方に仙台で会うのは面白い。 こんな声で歌ったにも拘らずCDを買ってくださる方がちらほら。有り難いの一言に尽きる。 一人修羅場の心境の私とは裏腹に、お祭りの日がいい感じに過ぎていくのを眺めていた。 少しほっとしながら、やりきれない思いでブースに立っていると、 真ん中のベンチに座って聴いていた方がブースに来て、CDを買ってくださった。 オワリカラが好きで、タカハシヒョウリと一緒にやっていたから私の名前を知ったそう。 とても嬉しかった。(君は仙台に来て正解だったんだよ)と言われた気がした。 ホテルに戻って、また30分だけ横になって向かった新星堂カルチェ5仙台店。 18時スタート予定。しかし、いよいよ声帯がいかれてきていた。 歌える曲がない。リハでも全く出ない。 どうして。 この現実を受け入れたくない、けれど紛れもない現実だった。 結局、一緒に夕涼みコンサートに出演したアキオカマサコちゃんに急遽登場いただき、 私は1曲だけ、キーを下げた『葉月』を歌うことに。 カルチェ5店の店内では私のミニアルバムの曲がかかっていて、 こういうフライヤーがいたるところに貼られていて、 ![]() なんと申し開きをしていいかわからないという気分だ。 終演後、迎え入れてくださった新星堂のスタッフさんたちに謝意を伝える。 返ってきた「また来てください」というその言葉に、 生まれて初めて「雪辱」の意志と呼ぶに相応しい感情を自分の中に認めた。 昼間、勾当台公園に来てくれたオワリカラ繋がりの彼女が、 インストアライブにも来てくれてたった1曲のステージを聴いてくれた。 とても感動した様子、なにか伝えたりないけれど伝えたいといった様子で、 歌うたいとして全く機能していないに等しい立つ瀬のない私にすら、 こんな救いが用意されているなんて、と思った。すべて報われた気がした。 絶対にまた、仙台に来ようと思った。 待っててください。この借りは必ず。 ![]() ![]() しかしながら、この夜、声が出なかった無様な私を一切責めることもなく、 お世話になったエフエム仙台の方が夕食に連れて行ってくださったその場で、 懐の深い大人たちに支えられて私は今回仙台に来ていたのだと知った。 (仙台と言えば牛タン。すごく美味しかった。) ![]() Mr. Summer Time というお酒、裏のラベルにはこんな表記があるのだ。 ![]() ![]() 失敗だったとは思っていません、と言われた。 絶対にまた仙台に来てリベンジしてください、とおおらかに言っていただいた。 胸が熱くなる。 そして、震災の話を聞いた。女川の話を聞いた。 海がさらっていった街のことを聞いた。無常、という言葉が重かった。 翌朝、海の所へ連れて行ってもらう約束をする。 「アラカキは東京に帰って早く病院に行け」「いや、見てきた方がいい」「見てほしい」 いろいろ言われたけど、私も行こうと心に決めた。 この夜、夕涼みコンサートのその日のトリだった佐藤竹善さんにも偶然お会いした。 中学時代、日曜の朝の竹善さんがパーソナリティのTOKYO FMの番組を聴いていて、 SING LIKE TALKINGのアルバムも持っててよく聴いていたので、 初邂逅がよりによってこんな声の時に、そして歌うたいです、と言う切なさ。。うう。 でも豪快な竹善さんの語り口は、10年以上前にラジオで聴いてたそのままで感慨深かった。 SEASONS OF CHANGEをMステで聴いて初めて知った、あの曲好きなんです。 そんなお話をして本懐を遂げ、ホテルに戻った。 もう、声は殆ど空気の出る音しかしなかった。 8/8の朝は、車で塩釜、閖上方面へ。 次回は、その話を。
comments(2) | - | ↑
コメント
仙台一緒にいくか〜?9/19。
| ひらk | 2011/08/13 3:53 AM |
うわ超行きたい、壊れかけのテープレコーダーズもいっしょなのか!でも東京でライブ入ってしまってる、、、
| ひろk | 2011/08/13 11:20 PM |
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